先輩はどうしてる?

茨城県立鉾田第一高等学校竹田 孝輝 先生

Question 1教員という職業のどこに「魅力」を感じましたか?

教員の仕事は、生徒と一緒に悲しんだり楽しんだりする時に信頼関係が生まれる、そこに魅力を感じます。

Question 2教員を目指すにあたり、茨城県を選んだ理由を教えてください

大学での教職ボランティアを東京でさせて頂いたんですけれども、その時に生徒と土地のこと等で話が合わない部分がたくさんありました。一方で、郷土の茨城の教育実習を通して、生徒と土地柄での思い出話とか、自分はこうやって育ってきたんだよっていう話をすることで、生徒と通じ合える部分があったのかなと思います。そういったところで茨城県の教員になろうと思いました。

Question 3実際に教員という職業に就いてみて「やりがいを感じること」と「大変だと思うこと」は何ですか?

私が一番やりがいに感じる瞬間は、生徒が出来なかったことが出来るようになる瞬間です。例えば、私は数学の教員をしているんですけれど、中学までは数学が嫌いだったという生徒が、高校になって数学が楽しい、先生の授業を受けて楽しいっていうふうな言葉をかけてくれたときに、教員をやっていてよかったなって感じます。

大変だなと思うのは、やはり生徒に自分の言葉が伝わらない瞬間がたくさんあること。じゃあ、どうやってその生徒に自分の伝えたいことを伝えるのか、それを試行錯誤していくことが一番大変だなと感じます。高校生は、もう自分の意志が確立されていますので、「これはダメだ」「これやっちゃいけないことだよ」って言っても、何でそうなのかというところまで伝えないと分かってくれない。そういったところにちょっと難しさを感じます。

Question 4現在の勤務校である「鉾田第一高等学校」について、どのような特色の学校か、教えてください

鉾田第一高等学校は、今年で創立100周年を迎える伝統校です。伝統校だからといってそれにしがみついているわけではなく、ICT教育も盛んに行われている学校だなと感じます。また、本校の生徒は、素直という言葉が一番似合うと感じています。

Question 5職員室の雰囲気や同僚の教職員との関わりについて教えてください

職員室の中はかなり賑やかです。自分は一番若い教員なんですけれども、年上の先生からよく声をかけてくださるので、そういったところでは結構交流ができているんじゃないかなと思います。また自分は1年次を担当していますが、2年次や3年次の先生とも、こういった生徒がいるんだっていう情報共有はよくされているので、チームワークとしてはすごくいいんじゃないかなって感じます。相談しやすい雰囲気あって、全員が真摯に向き合ってくれます。誰に相談しても間違いないなって感じています。また各方面に長けた先生がいらっしゃり、何か不安なことがあった際には、その先生に相談すると問題とか課題が解決できることが多いので、そういったところで、自分一人で抱えることがなく不安が少ないと感じます。

Question 6典型的な1日の勤務スケジュールを教えてください

朝、出勤して職員室で欠席の確認を行います。そのあとクラスでショートホームルームを行い、午前3時間のうち1時間授業を行い、残り2時間を事務作業や授業準備に充てています。お昼を食べて、午後の3時間のうち1時間授業を行い、残り2時間を事務作業や授業準備に充て、そのあと清掃と部活の指導を行い退勤する流れになっています。

Question 7各学校で働き方改革が進んでいると思いますが、どういうところで実感していますか?

例えば、午後に仕事が片付いてしまった場合には、年休を取得して自分の趣味であるトレーニングを行うということもあり、プライベートの時間は確保できているなと感じます。仕事量は、自分ができる範囲の仕事の量だなと感じます。多いなと感じることはないです。学校行事などの仕事は一人に割り振られるのではなく、最初から役割分担されています。また、新しい仕事を行う際には、前に仕事を担当されていた方からの引き継ぎなんかもよくされているので、そういったところで働きやすさを感じます。

Question 8生徒たちに対する思い・心構えを教えてください

本校が初任校なんですけれども、赴任時に校長先生から「鉾田第一校に来ている生徒はダイヤモンドの原石なんだ」と言われました。自分はそのダイヤモンドの原石を少しでも輝かせてあげるっていう思いをもって生徒たちと向き合っています。力はもっているのに発揮できていないっていう生徒が多いように感じますので、自分のもっている力を少しでも発揮できるように、教員としてサポートしていかないといけないなと思っています。完璧に引き上げたいっていうよりかは、その後押しをしたいっていうイメージです。

隙間時間とか授業の前とか後とか、廊下で会った時に会話をするっていう中で、生徒たちは今どんな状況なのかなっていうのは考えています。自分のクラスの子達であれば、一人と1日1回はしゃべろうっていうのを自分の中で意識していて、その中で何か表情が暗いなとか、何かあったかなというときには声をかけるようにしています。

生徒に対しては、やっぱり言葉に気をつけないと一生の心の傷になってしまったりする部分もあると思うので、言葉遣いっていうところにはすごく気を付けて接しています。それこそ自分は生徒達と年代が近く、意識していないと近くなり過ぎちゃうので、やはり距離感を少し取る方がいいんじゃないかなって感じています。

Question 9授業や学級経営で工夫していることを教えてください

クラスの中には、自分の意見をなかなか主張できない子もいます。そういった子に対してタブレットを使って意見を言う場を作っています。またクラス40人の前で発表するのは難しいけども、3人4人の中では発表できるっていう子もいるので、小グループ化して最終的にはまとめさせて、発表できる子に発表してもらうっていうふうにしています。意見を封じ込めるのではなく発表できる機会を工夫して、クラス経営の方に活かしています。それこそ、自分の意見を主張することができなかった子が、授業を追う度に少しずつ自分で発表できたりとか、文化祭で人前に立って発表ができるようになったりとか大きい成長を遂げた子もいます。何か小さいことから一歩が踏み出せれば、あとは自分でどんどん進める子はいますので、そういったところで成果はすごくあったなって感じます。とにかく一歩が大事で、あとは自分でテクテクテクっと上がっていけるのが、これがまた子どものすごいところだなって感じます。

Question 10保護者や地域との関係づくりで気を付けていることは何ですか?

保護者の方は、現状というかリアルを知りたいと感じているので、いいことだけを言うっていうのは少し避けていて、やはりダメになった部分や改善点っていうのも素直に伝えるようにしています。

1年次では総合的な探究の時間に、例えば市内の精肉店とか鮮魚店、スポーツ店などのイベントに参加しています。その中で、生徒達が接客を行ったりとか、お子さんの面倒を見たりとかっていう経験を通して社会に出ていく力を養っています。この探求の時間では50以上の事業所にご協力いただいておりますので、地域との交流はすごく盛んな学校じゃないかなと感じています。

Question 11「休暇制度」「給付事業」など、福利厚生の活用状況について教えてください

自分の時間に合わせて休暇を取れる制度になっています。年次休暇制度では、自分が休みたいときに休むことができ、そして夏休みには夏季特別休暇という休暇制度もあります。それは5日間休めることになっているので、その休暇を利用して旅行ですとか家族の時間とか友人との時間に充てることができています。

Question 12初任者には3年間の研修制度がありますが、どのような研修が役に立ちましたか?

自分は、数学の教科指導の研修が一番役に立ったなと感じています。その研修には、進学校やそうではない学校など、様々な環境で教える先生が参加していて、そこで生徒の立場に合わせた注意点や指導方法を学ぶことができました。学力が高い生徒やそうではない生徒に対して、どのようなアドバイスをするのがいいか考えることができたので、自分の中ですごく役に立ったなと感じています。

Question 13茨城県の教員志望者へメッセージをお願いします

教員という仕事には、楽しい、幸せだと感じる場面があると同時に、大変だなと感じる場面も多くあります。その中でも頑張れるのは、生徒と一緒に成長できる喜びややりがい感じられるので、教員という仕事を続けられています。皆さんと一緒に働いていきたいなと思っていますので、ぜひ茨城県の教員を目指してほしいなと感じています。