先輩はどうしてる?

鹿嶋市立鹿野中学校工藤 遼 先生

Question 1教員という職業のどこに「魅力」を感じましたか?

子どもたちと中学校生活3年間という短い学校生活を一緒に過ごせるというのに凄い魅力を感じています。例えば学校行事であったりとか、日々の授業なんかは、私たち教員は何回も繰り返して経験できるものだと思うんですけれども、子どもたちにとっては一回だけ、一生に一度だけの経験なので、そういうのを一緒に共有できるのが魅力的だなと感じています。例えば、同じ授業でも、教室によって子どもたちから出てくる意見が違ったり、メンバーが変わったら同じ教科書のページでも教えることが違ったりっていうことがあります。教科書の内容や教えることは決まっているんですけれども、その中でも変化があるというのがやっていて面白いなと感じます。

教員になろうと思ったのは、中学校2年生のときに楽しそうに生徒と関わっている先生がいて、先生って面白そうだなと思ったのがきっかけです。特に迷わなかったかなと思います。

Question 2教員を目指すにあたり、茨城県を選んだ理由を教えてください

まず1つ理由としてあるのは、大学で共に学んだ仲間、教育学部だったんですけども、同じ仲間がいるのは茨城県なので、働いてからもその仲間たちと繋がっていたいなと。職場は当然違うんですけれども仲間たちと一緒に教職を務めていければなというふうに思ったのが茨城県を選んだきっかけです。あと、大学生のときに小学生の子どもたちを集めて夏にキャンプをするっていうサークルに入っていたんですけれども、その時、小学校の先生も少しいいなと思いました。茨城県なら中学校と小学校どちらも経験できるということなので、私の夢は叶えられるのかなと思って志望しました。

Question 3実際に教員という職業に就いてみて「やりがいを感じること」と「大変だと思うこと」は何ですか?

私は社会科の教員なんですけれども、授業を作る中で想定している答えとか、こういう意見が出るだろうなというのはもちろんあるんですが、その想定を越えて「こういう視点で子どもたちも考えられるんだな」とか、新しい発見ができるっていうのがやりがいかなと思いますね。あとは学校行事、例えば合唱コンクール。今年は3年生の担任だったんですけども、中学校生活の集大成として子どもたちと一緒に本当に感動できた。そういう時が、やはり教職としてのやりがいを感じる瞬間ですね。

私自身、同じ作業をずっとやるとか単純作業がすごい嫌いなんですが、学校現場は常に変化する。子どもたちも変化しますし、社会情勢も変化していく中で、私たちが求められる力であったり、そういうことも変わっていくので、その変化がすごい私は楽しいなと感じますね。

先生といっても人間なので、やはりミス・間違いをすることがあります。そういう時に例えば子どもたちに対するミスだったら、子どもたちにも謝らなきゃいけないですし、それがもう少し大きな問題になると、保護者の方にも謝罪をしに行ったりだとか、それが大変だなと思う瞬間です。そういう時は周りの先生方にまず相談しますね。周りの頼れる先生方にまずは助言いただいて、そこからこうやって対応しようかなとか、そういうふうに考えるようにしていますね。

Question 4現在の勤務校である「鹿野中学校」について、どのような特色の学校か、教えてください

今年度、鹿野中学校では、まず授業研究として道徳の授業の研究をしていました。生徒が粘り強く主体的に学べるようにという視点で道徳の授業改善を行えば、他の教科にも活きるのではないかということで、研修を重ねてきたところです。私も含めて若い先生が多く、授業研究や教材研究を熱心にやっていると思います。

子どもたちの様子は、今年度は生徒会を中心に子どもたちが主体となって特別活動を行えるように手助けをしてきたところです。子どもたちの手でクイズ大会を実施しました。(コロナで)一カ所に集まれないのでリモートでやりましょうということで、たくさんスライドを作ったり、自分たちで全部司会もやったりとか、生徒主体の行事をすごいできる。そんな学校かなと思います。

Question 5職員室の雰囲気や同僚の教職員との関わりについて教えてください

特に学年の先生は、何か困ったらすぐ「これこうなんですけど、どうしたらいいですか?」とかよく相談します。私ももちろん頼っているんですけども、私ができることは私がやって、お互いに助け合えるような関係になれるよう、日々協力し合っているかなと思います。同年代の先生はかなりいっぱいいて、職員室だけじゃなくて廊下ですれ違った時に軽くしゃべったりとか仲はいいかなと思います。

子どもたちが成長しているのって、私だけの力じゃ絶対にないと思いますね。特に中学校は教科担任制ですし、担任の先生だけがしっかりしていても、やっぱり組織としてはあまりよくないのかなと思います。学年主任の先生だったり、副担任の先生、それぞれポジションは違うと思うんですけれど、同じ子どもたちに向かう教員という立場では一緒なのかなと思います。

Question 6典型的な1日の勤務スケジュールを教えてください

まず出勤してやるのは、今このご時世ですので体温のチェックです。本校はアプリで登録して、パソコンで見られるようにしているので、まずそこで体温のチェックと今日の出欠の確認をします。そのあと、教室に戻って朝の会をします。午前中、私は大体2時間か3時間ぐらい授業があって、午後も大体1時間授業があってというところですね。午前中の授業が終わると給食の時間、そのあと昼休みの時間・掃除の時間になって、午後に5時間目・6時間目があります。それが終わると学級で帰りの会を行って、そのあと部活動の指導になります。空きコマが一緒の先生と雑談もしますし、今日の子どもたちの様子こうだねと情報交換もしますし、そういう何気ない時間がなんか好きだなと思いますね。

Question 7各学校で働き方改革が進んでいると思いますが、どういうところで実感していますか?

ICT機器が使えるのは、それだけでも社会科にとっては重要で、授業の資料の準備とかは、紙で印刷して配るのではなく、データでポンって送れるので、そこは本当にやりやすいなって思いますね。あと日々のアンケートとかも、今はギガスクール構想の一環で1人1台端末がありますので、アンケートの集計とかも一瞬でできちゃいます。そのようなところが以前よりは本当にやりやすく、時短になっているかなと思います。

部活動は、以前は平日に1日と土日どちらかは休みということだったんですけれども、今は平日2日間、月曜日と木曜日はお休みで、土日もどちらかが休みです。例えば大会とかの都合で土日に両日出てしまったときは、代わりに平日に休みを増やすっていうふうに、部活動も以前よりは活動を縮小している状況ですね。

Question 8生徒たちに対する思い・心構えを教えてください

小学校中学校って、学力もそうですし、性格もそうですし、いろんな子がいる中で、学力だけじゃなくて社会性も養っていく場だと思うので、出来るだけ平等に、等しく接するといいますか、それは本当に頭に入れて日々行動していると思います。

社会科という科目は、答えが1個じゃないと思うんですよね。なので、子どもたちの答えを出来るだけ引き出そうっていうのは常に心掛けて授業は作っているつもりです。でも、そうすると答えは無限にあるのかというとそうでもないと思うので、答えを教えるっていうよりは、考え方を学ばせたいなって。その考え方が社会科だけじゃなくて、例えば数学科的なとか、理科的なとかっていう考え方をいろいろ学んでくれれば、それが個性につながってくれるんじゃないかなって思いますね。それが主体性であったり、難しい課題に対して粘り強く取り組む、そういうことに繋がるのかなと思います。

Question 9授業や学級経営で工夫していることを教えてください

係活動をしっかりやらせるようにしてますね。クラスのために動ける生徒を育てたいっていうことと、自分の仕事に責任をもって取り組める生徒を育てたいので、それが日々実践できるのは係とか委員会の活動なのかなと。特に委員会だと学校全体の活動になるので、一番身近というか目に見えて分かりやすいのが係かなと思ったので。それだけでなく、どこかの係が仕事を忘れていたりしたら、自然と他の子どもたちが手伝ったりとか、そういうことができる雰囲気を作るようにしています。

Question 10保護者や地域との関係づくりで気を付けていることは何ですか?

立場は違っても、やっぱり子どもたちを成長させたいっていう思いは一緒だと思うので、その思いはまず共有したいなと思っています。そのためには、やっぱり信頼関係の構築っていうのが一番大事だと思うので、例えば授業参観の日などには必ず「来てくれてありがとうございます」と声を掛けたりして、そういうところから徐々に「鹿野中のあの先生ね」っていうふうに認識してもらえるように心掛けています。

1年生は総合的な学習の時間で、SDGsについて市役所の方と連携を取りながら授業をしたり、あと鹿嶋市長さんに提言をしたりとか、私たちも関わりながら、地域の方にも支えてもらったり、教えてもらったりとかっていうことはやっていますね。

Question 11「休暇制度」「給付事業」など、福利厚生の活用状況について教えてください

ただ単に休むことが目的というよりは、人生の選択肢を広げるっていう意味合いの方が強いかなと思います。ワークライフバランスというんですか、やっぱり仕事だけしていても豊かな生き方にならないと思います。もちろん仕事がバリバリ好きっていう方もいらっしゃると思いますし、それはそれで一つの生き方としていいと思うんですけど、そういう生き方も選択できるし、例えば家庭との両立を図るっていう生き方、自分の趣味と両立する生き方も選択できる。いろんな生き方があると思うんですけど、そういうのを自由に自分のスタイルとかライフステージに合わせて選択できる方がいいかなと思います。

Question 12初任者には3年間の研修制度がありますが、どのような研修が役に立ちましたか?

研究授業などを行うときは学習指導案というのを書くんですけれども、それを1人1枚、初任者同士で持ち寄って、他の先生方の指導案と見比べて研究協議を行うっていうことがあります。私は地理的分野が専門なんですけれど、歴史的分野が専門の先生もいれば、経済が専門の先生もいらっしゃる。それこそ今言われている多面的・多角的な授業を行うためには、私たち自身にも多面的・多角的な視点が必要だと思うので、そういった意味では教科の研修はすごい役に立っているなと思います。

Question 13茨城県の教員志望者へメッセージをお願いします

先生という仕事はとても魅力的な仕事だと思います。茨城県の子どもたちは、とても素直で明るい子だと思います。ぜひあなたも茨城県で先生になってみませんか?お待ちしています。